2012年09月21日
“否ぶらり”途中下車の旅。(後編)
そしてさくら肉の後は、松本途中下車の一番の目的であるバー巡りへ。

オープンとほぼ同時に飛び込んだのは全国的に名の知れたお店 「 MAIN BAR COAT 」
蔵造りの2階に佇む、なんとも立派な分厚い一枚板のカウンターにアンティークのチェア、
並ぶお酒やカクテル、そしてサーヴィスと
贅沢に時間を過ごすにはこの上ないハイパフォーマンスな要素を兼ね揃えています。
( と、私が言うのは何ともおこがましいのですが

入店後しばらくすると次々と席が埋まっていきました。
私の隣には綺麗にジャケットを召したひとりの老紳士がおかけになりました。
恐らくいつもご注文されているカクテルなのでしょう
それを作るマスターと他県のバーの話をハキハキとした口調で話しながら
楽しそうに作る工程を見つめています。
さっとその一杯を召し上がってお帰りになるお姿は何ともカッコよく感心させられました。
マスターのお話ではこの方、地方のバーにもわざわざお出かけになるそうで、
しかも御歳80歳

これには私も周りのお客様もビックリです

自分も歳をとってもあの老紳士のように元気にバーで飲んでいられるようでありたいと改めて思ったのでした。
続いて伺ったお店は 「 BRORA 」
先程の COAT のカウンターも大変立派でしたが、
こちらのカウンターも圧巻!
10m超の長さと短いところでも1mはあるという奥行き、そしてその厚み
木材は当店と同じくブビンガ。
ついつい撫でてしまいます

ビルの3Fにあるこのお店。どうやってこれほどの長さのある木を入れたのか?
それは・・・
こちらのお店に伺う機会がございましたらぜひお店の方に聞いてみてください

カウンターやチェア、広さのある空間、エントランス、そして気持ちの良いサーヴィスとなんとも贅沢な空間です。
当初の予定では一軒あたり1時間程の滞在で計3軒のバーに伺うつもりでしたが、
時間的にとても忙しなくなってしまうため、3軒目をあきらめ、
こちらで扱っているシガーを頂きながらゆっくりとさせていただくことにしました。
どちらのお店も時間の経過とともに次々に席が埋まっていきましたが、
決して騒がしくなることもなく、
店内で携帯電話での通話をする人も、
その場にいる全員に話が筒抜けになるほどの声の大きさで話をする人も誰一人としておらず、
場違いの服装をされた方も少なくとも私が滞在した時間にはいらっしゃいませんでした。
マナーをわきまえて各々の時間を楽しんでいらっしゃいました。
互いが互いを思い遣る。
いいお店とは決して店側だけで作るもの・作れるものではなく、
その店のルールの中で、
その場に居る全員がお互いのことを思い、気遣うからこそ
それが行動に表れ、その場での話の内容・言葉を選び、
適度な緊張感を持っていられる。
その結果、自然と 「大人の社交場」 としてのいい空気・空間が生まれるのだと私は思っています。
いいお店とは、場をわきまえたいいお客さまがいらっしゃる店
私が常日頃思っている “ いいお店 ”像 をこちらの2軒で見れた気がしました。
恐らく松本のバーの先駆者となったお店が地元のお客様を苦労しながら育てていき、
そこに後からできた若いバーが続いて、
それぞれが高い志をもって地道にバーの嗜みをお客様に伝えていき
そのお客様の嗜み方を新しいお客様が見て、手本にして・・
その結果今の松本のバー文化ができたのだろう
と勝手に思ってみたり・・・
とは言ってもたった2軒、時間も早い時間でしたので
松本のバー文化を語るにはまだまだ経験不足ですが、
それでも松本のバーから学ぶ部分は多々あるようです。
・・・・・
と、話が少々ズレてしまいましたので旅の続きに戻ります

昼も夜も楽しめる松本。
次は必ず泊まりで来よう。と心に決めつつ最終電車に飛び乗り松本を後にしました。
行く先はこの日の宿泊先である新潟の直江津です。
翌日。
新潟県上越市。今回の旅の最大の目的地はとても9月中旬とは思えぬ暑さで
恐らくこの日も静岡と比べても気温が高いんじゃないかと思えるほどの日差しと暑さ。
空もこんなに真っ青


そう、目的は結婚式に出席するためなのでした。
東京時代から10年来の友人は地元に帰っても変わらずで、
披露宴中もよく食べ、友人席での


「 アイツはだいじょうぶなのか!? 」 と我々が心配してしまうほどのマイペース。
色気も緊張感もあったもんじゃない

そんな 新婦 なのでした

姉さん、いい旦那さんでよかったね



追記
初の新潟でしたが、二次会終了後終電の

一切観光や地元の飲み屋さんなどには行けませんでした

こちらも次はぜひ泊まりで行きたいと思います。
ダラダラと長い文章にお付き合いいただきまして、ありがとうございました m(__)m